【ブラジル】ボルソナーロショックで株安/政情不安でペトロブラスなどが下落/Bovespaは3.8%安

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 先日ブログでちょろっと書きましたが9月7日(Sete de setembro)はブラジル共和国の独立記念日でした。(ブラジルの政治情勢とかはこちら)。その翌日の8日、ブラジルの株式指数Ibovespa(ボベスパ)が3.78%との大幅安となり113,412.8ポイントまで低下

 何が起きたのかというと、ボルソナーロ大統領が最高裁判所(STF)に喧嘩を売って過激な発言を繰り返し、これが政情不安を与えることとなりました。ちなみにボベスパの下落率3.8%というのは、今年の3月8日にB3という大手金融企業の指標が下落して以来の下落幅となります。

 さて、8日未明、ボルソナロ大統領は最高裁判所(Supremo Tribunal Federal)に対し、アレシャンドレ・モライス判事のフェイクニュースに関する調査に従わない旨を宣言し、その後、ルイス・フックス最高裁長官が、何人も最高裁の決定を妨げることはできず、その決定に背くことは公務員の背任罪(crime de responsabilidade)<つまりブラジル憲法によれば弾劾の対象にもなる>になりうる旨述べました。

                              ボルソナーロ大統領Twitterより

 議会では既に弾劾手続きを開始せよとの声も上がってきているものの、リラ下院議長は現時点では弾劾手続きに否定的な一方、ボルソナーロに対してはそろそろ終わりにしとけよ?みたいな感じは出しています。一方で、ハモス下院副議長はSNSで、「弾劾手続き開始は不可避」との発言をしています。

 ブラジルの政情不安は別に今に始まった事ではないのですが、投資家やアナリストにとって、こういった政府内の争いは株価の押し下げ要因となり、次の選挙まで経済政策を打てないのでは?との不信感を与えました。株価下落と共に、この日はドル高レアル安も進行し2.84%レアルが下落。1ドル=5.324レアルと新興市場通貨の動きでは最も通貨安が進んでいます(ちなみに私は今日本在住ですが、7〜8年前は1ドルが2レアルちょっとでした汗)。

 ボベスパの主要な構成銘柄はメガバンクやペトロブラス(PETR3やPETR4)があり、ペトロブラス(ブラジルの石油公社)は時価総額2位=寄与度2位なのですが、ここの株価が5%超えの下落となったことは8日の市場に大きな影響でした。ペトロリオが下落したほか、寄与度の高いメガバンクのブラデスコ(Bradesco)やサンタンデール(Santander)、ブラジル銀行(Banco do Brasil)などが、いずれも4%ほど下落

 またIT系企業でクーポン配布の会社のメリウス(Méliuz:日本でいうグルナビ的な感じ?)が11%下落。また金利の変動により、長期的に影響を受ける(=開発系企業)と思われた、ヴィア(Via)、エレトロブラス(Eletrobras)、アメリカーナス(Americanas)なども9%程度の下落

 一部上昇した銘柄もあるのですが、9月8日は投資家にとって散々な1日になりました。。。。

 ちなみにボベスパの最近のチャートは以下のとおり。うーん、世界の株高の流れに逆行して厳しい状況ですね。。

 さて、ブラジルは気づけば来年に大統領選挙という時期なのですが、ルーラ元大統領(労働党)が収賄罪での有罪判決を受けた後、今年になって最高裁から判決を取り消されているため選挙権が回復。出馬に意欲を見せており、来年の選挙は左派のルーラ対右派のボルソナーロという構図ですが、ルーラ元大統領は北東部を中心に貧困層への支持が非常に根強く、今は支持率がかなり高いため、ボルソナーロ大統領に風向きが悪い状況です。新型コロナの対策をしっかりやらないといけませんが、これもなかなかすぐに解決できなそうで厳しい状況です。新規感染者と死者数はちょっと下がってきましたけどね。。。。

 私の母国ですから、頑張って欲しいところです。><

 

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