【用語解説】東証株価指数(TOPIX)とは?

解説

 「日経平均株価」と並んで、毎日ニュースで触れられる東証株価指数TOPIX(トピックス)とは一体何でしょうか。なんだか名前はカッコいいですね。と思ったのは私だけかもしれません。学生時代は投資を積極的にしていたにもかかわらずTOPIXの意味も知りませんでしたし、あまり気にしてもいませんでした。簡単に説明していきます。

概要

 東証株価指数(TOPIX:Tokyo Stock Price Index。以下TOPIXと書きます)は、東京証券取引所第一部上場の全銘柄を対象として算出・公表されている株価指数で、1968年1月4日の全銘柄の時価総額を100とし、その日の時価総額がどの程度動いたかの指標となります。なおこの日の時価総額は8兆6020億円でした。

 TOPIXが実際に公表され始めたのは1969年7月からで、現在は、各銘柄の浮動株数をベースにした時価総額の合計で算出されています。

 日経平均株価と違って、株価ではなく時価総額をベースに計算している他、東証第一部全銘柄を対象にしているため、市場の動きをより実態に近く反映させている、と言えるでしょう。なお株の持ち合いなどで、ダブルカウントされる場合もあるため、若干の補正が行われているのは日経平均と同じです。日経平均と違い、指数なので●●円ではなく●●ポイントという読み方になります。

 時価総額の合計が算出対象となっているため、日経平均株価と違って時価総額が高い企業ほど、影響力が高くなります。日経平均株価であれば、値嵩株が影響力が高く、例えばファーストリテイリングやソフトバンクですね(以前の解説記事を以下御参照)。一方でTOPIXに影響力が高いのはトヨタ自動車やソフトバンク、キーエンスなど、時価総額ランキングに入るような企業の影響力が上がります。

 日経平均株価とTOPIXのどちらが指数として使いやすいかは、人それぞれではありますが、時価総額ベースの方が実態をより体感的に示しているような指標になるかと思います。

寄与度ランキング 

 時価総額合計をもとに算出している指数ですのでTOPIXでは、もちろん時価総額の大きい企業ほど寄与度(ウェート)が高くなります。以下のとおりです。

企業名時価総額TOPIXウェート
1トヨタ自動車28兆5283億円4.03%
2ソフトバンクG14億6537億円2.07%
3ソニーG13億2726億円1.88%
4キーエンス13億383億円1.84%
5NTT11億2908億円1.60%
6ファストリ9億1891億円1.30%
7リクルートHD9億1022億円1.29%
8KDDI8億5369億円1.21%
9任天堂8億5216億円1.20%
10三菱UFJFG8億4276億円1.19%
2021年5月21日株価を基に算出

 TOPIXは日経平均株価と並んで、日本の主要経済指標として投資家の皆さんも毎日注目していると思いますが、日経平均が225社だけに対象を絞っているのに対しTOPIXは東証第一部の全銘柄を対象としており、今後より指標として重要となってくると思われます(特に海外投資家から)。その一つのトレンドとして2021年3月に日銀のETF購入でも日経平均株価連動型ETFからTOPIX連動型のETFにシフトする方針となったこともその表れかと思います。

 それでは!

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