【用語解説】「証券会社」とは?

解説

 株式投資を行いたい、と思った時に、いきなり取引所に行って窓口で、「〇〇株を買いたいです」なんてやる人はいませんし、できません。まず何をやるかというと証券会社に口座を作るところから始まります。そんな証券会社とは一体どんな存在で、何をしてくれるのか、簡単に解説します。

目次

概要 

 法律上の証券会社は「第一種金融商品取引業者」に分類され、2007年に施行した金融商品取引法で規定される業者となります。とはいえ、こんな名前を使っている人は今のところはおらず、一般に「証券会社」という名称で活動しています。こちらの名称が一般に馴染みがありますし、当面使用できることになっています。

 この「第一種金融商品取引業社」ですが、登録するにあたっては純資産及び資本金が5000万円以上で、自己資本規制比率が120%以上などといった条件が課せられています。顧客・投資家のお金を預かる業務を行うわけですから、それなりに厳しいわけですね。

 そして、主な業務の内容ですが、①有価証券(株式とか)の取次を行うブローカー業務②自社で行う有価証券の売買であるディーラー業務③株式を引き受けるアンダーライター業務④ある会社が株式を発行・売り出しを行う際のディストリビューター業務、に大別されます。なお、これらの業務を全て行っている証券会社を「総合証券会社」と言います。

 私のような一般の投資家との関係では、①④での関わりが多いです。①のブローカー(仲介業務)に関しては、要は私たちがA社の株を買いたい・売りたい!と思ったら、口座をもっている証券会社を通じて注文を出して、株式を売買することになります。④について関しては、例えば、B社という会社が上場することになったら、新たに株式を発行or売出す(新規上場:IPO)ことになるので、その業務を証券会社が手伝います。私たち投資家は上場する会社があれば、証券会社からお知らせをもらい、IPOへの参加を申し込むことになります。

※上場については以下参考。

主に仲介業務

 前述で説明した①〜④のうち、投資家の発注を受けて株式売買の実行を行うブローカー業務(仲介)が、おそらく多くの方に馴染みがありますが、従来は店頭(や電話)で行われていたところ、90年代後半・2000年代初頭からはインターネット普及によりネット証券が台頭します。これまでは株式を買いたければ、証券会社の店頭・電話で(時には)アドバイスなどを受けながら、X社の株をいくらいくら買いたい、だなんてやりとりをしていましたが、今やスマホで数クリックで発注・売買ができるような時代になりました。

 そんな仲介業での証券会社のメイン収益は顧客注文を実行するにあたっての売買取引手数料で、店頭や電話だと1回の取引につき数万円・数千円を徴収していました。ネット証券だと、証券会社によって金額の差異はありますが、だいたい約定代金の0.1%くらい(100万円の取引で、千円くらい)が相場という感じがします。手数料の値下げ合戦が熱を帯びてきたこともあり(一部の証券会社では既に無料になっている)、各証券会社では収益源の多角化が急務となっています。

 他にもM&AやIPO業務などでも収益をあげているので、そのあたりの説明は随時改訂しながら解説していきたいと思います。

主な証券会社

 金融商品取引法で規定する「第一種金融商品取引業社」ですが、かなりの数が存在します。金融庁HP(2021年3月時点)のデータによると第一種で登録しているのは306社となり、第二種もあわせると無数存在します。ネット証券もかなり増えてきており、筆者の体感ですが、とりあえず主なところは以下のとおりでしょうか。口座数順にランキングにしました。

名称登録口座数預かり資産額出典
1SBI証券6,036,260
※SBIネオ込みだと
681万口座
19.3兆円2021.3決算資料
2楽天証券600万超11.9兆円2021.5月会社HP
3野村証券5,330,000121兆円2021.5月会社HP
4SMBC日興証券3,551,00070.1兆円2021.3月会社HP
5マネックス1,943,0595.0兆円2021.4月会社HP
6松井証券1,328,2822.9兆円2021.3決算資料
7auカブコム証券1,282,1252.6兆円2021.4月会社HP

 最近は若者の投資ブームが再来してきており、上記以外の証券会社もどんどんサービスを始めて需要を取り込んできています。投資家の皆さんは人によっては、複数の証券会社の口座を開設されていると思うので、登録口座数=人数ではないと思いますが、たまに電車内で株・FX・投信ニュースを携帯で見ている方を多く見かけるので、体感的に個人投資家の数がとても増えてきました。10年くらい前だと、こういう投資の話はとても他の人とできる雰囲気ではなかったのですが、今後はもう少しオープンに会話で触れる事ができるような時代が来るでしょう。

 そのうち各証券口座の評価記事なども書きたいと思います。

 それでは!

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