Solnascente.partners代表のLisboaです。不定期に個別企業の分析を行っていく予定です。記載内容は2021年4月時点の情報なので御容赦ください。
記念すべき分析対象の第1社目は迷いましたが,最近株価の下げが大きい空運業のトップであり,悪い意味でコロナ銘柄であるANAホールディングス(9202)を選びました。
誰もが知るANAホールディングスは,航空事業を中心としたエアライングループでANAホールディングスが持ち株会社として経営を統括しています。航空だけでなく旅行,商社,宿泊,整備など様々なグループ会社を持ち,日本を代表する企業で日経225銘柄にも採用されています。日本ではJALと並ぶ双璧ですね。国際的航空グループでは「スターアライアンス」に所属しています。
目次
沿革
第二次世界大戦後,日本の民間企業の運航解禁後である1952年に設立されたのが日本ヘリコプター輸送(株)で,当時は2機のヘリコプターの運用からスタート。これが後のANAとなります。1986年に成田・グアム間の国際的便運航開始,1999年に航空連合「スターアライアンス」加盟。2004年にはボーイング787(B-787)を初めて受注。今日では世界に肩を並べるエアライングループとなり,2022年で創業70周年。
事業
傘下の事業は48社あり,その中でも注力は航空事業です。特に中核の全日空(株)とLCCであるピーチがうまく棲み分けて事業を牽引し,総売上(1兆9742億円)の約74%が航空事業です。加えて航空関連事業で地上支援や機体整備,車両整備,貨物・物流,ケータリングなどで,これが売上の約13%です。その他は旅行や商社事業となります。このうち牽引役の航空,とくに旅客事業は新型コロナの影響で大きなダメージを受けました。
業績
数字を見るまでもなく厳しい事は想像に難くないですが,昨年度・今年度は非常に厳しい状況です。2020年度は2020年10月の予想でー5100億円の赤字を見込んでおり,当然の如く配当も出ない状況となっていました。ただ直近の経費削減(職員の出向等による人件費削減など)努力の成果もあり,昨日4/23の業績予想修正で2020年3月期予想がー4050億円と赤字幅を縮小しました。それでも大きい赤字ですね。2021年度も黒字転換は無理とみています。なお財政面では,公募増資,借り入れ,銀行融資枠設定による手元資金確保&設備投資の抑制により一旦体力を蓄えた形となっています。航空機の機体はリース料だけでも大きな負担となるため固定費が嵩むのは仕方ないため,力を蓄えていて欲しいですね。
今後の展望
空運業界は現在新型コロナ次第のところではありますが,ワクチン接種により期待が高まったものの,今週の日経の全体的な下げ圧力と,緊急事態宣言への懸念から,大きく値を下げています。他方今後9月までに日本国民のほとんどのワクチン供給が見通せるのであれば,今後の回復が期待できるでしょう。直近は2400円台を推移しつつ2300円を割り込む場面も見られましたが,直近は昨年4月の最安値2060円の抵抗ラインが意識され下げは限定的と判断しています。ということでsolnascente.partnersは2330円前後で買いポジションを入れました。3ヶ月程度を保有し,一旦様子するか、直近の高値である2700円程度での利確を目指したいと思います。ただしリスクのある銘柄なので自己責任です。積極的に勧められる銘柄ではありませんので念のため。
それでは!
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