【日経展望】6/7〜6/11〜引き続き方向感不明・ワクチン相場へ〜

　先週の日経平均株価ですが、２９０００円前後の攻防が一進一退となり、週次ベースでは２０８円安の２８９４１円で取引を終了。ワクチン相場を意識して、陸運、海運、空運やサービス業などで一部好調な銘柄は出ていますが、全体的には２９０００円にタッチしたところで利食いの動きなのか、売りがでるなど、方向が見えない展開です。ということで先週は残念ながら筆者の予想も外れました。

　先週までの週間の日経平均の動きは以下のとおり。

6/7-6/11日経平均終値予想 29,400 〜 29,700円

　先週は個人的にはトヨタ自動車が市場を引っ張ってくれたかな、と思います。日経平均というよりも特にTOPIXに寄与しました。日経平均は前週比２０８円安でしたが、TOPIXはほとんど動いていません（前週比で０．３ポイント下落）。今週ですが、日経平均の動きが見えづらく予想が難しいのですが、ワクチン接種が進んでいることが引き続きプラス材料であり、マイナスの材料が特になさそうなので、筆者の予想は前週と同じく２９４００〜２９７００円とします！

　コロナ後、というか五輪や夏の需要を意識して、レジャー、百貨店等のサービス業や空運などの銘柄は先取りして、既に物色が始まっていますが、今週も緩やかに上昇していくのではないでしょうか。あと、各国が抱え込みを意識している半導体銘柄についても、引き続き需要が旺盛ですが、こちらは株価が高値圏にあり、参入するには少し及び腰になるところ。。。

　ちなみに今後の日経平均の回復にあたっては、寄与度の高いファーストリテイリングとソフトバンク<9984>の復調が欠かせません。。。。が、、共に直近の全盛期から２割超のマイナスとなり、現在の株価はファーストリテイリング８万４０００円付近、ソフトバンクは８１００円前後、と動きがよろしくありません。ファーストリテイリングは直近の月次売上の数値が微妙、ソフトバンクもマイナス材料ばかり目立つこと（クレディ・スイスの訴訟検討報道等）から、今週に両銘柄が急反発するのは厳しいかもしれません。とはいえ、だいぶ株価が下がっているので押し目買いは意識されるところでしょうね。

　ということで、筆者的には寄与度の低い日経平均銘柄の頑張りに期待したいところです。

今週の主要イベント

　先週の米国雇用統計ですが、５月の非農業部門雇用者数は前月比５５万９０００人と市場予想の６７万人を下回ったものの引き続き堅調さがうかがえます。一方で、市場予想を超えることもなく、テーパリング懸念も後退まではしないですが、多少の安堵感もあったことからNYダウ、ナスダック、S&Pはいずれも上昇しました。今月１５〜１６日のFOMCでテーパリングの議論が開始するかも？的な報道も出ていますが、引き続き金融政策への注目が欠かせません。

　さて、今週の主要指標とイベントは以下のとおりです。大きく注目したいのは、先月に想定超の数字が発表された米国の消費者物価指数CPIでしょう。４月のCPIは前年同月比で４．２％、食品等を除いたコア指数で３．０％と高い数字が出て、まあ、コロナで需要の落ち込んだ前年比なので、多少下駄を履いた数値ではありますが、市場へのインパクトは多少ありました。前回は５月１２日の発表でしたが、その後インフレ懸念から米国長期金利が１．７％付近まで上昇し、翌日の日経平均も７００円程度の下げとなりました。ということで、要注意です。

　今週末にはG７サミットが英国コーンウォールで実施される予定です。一つのテーマとして対中国・対ロシア外交が焦点となりますが、６月１６日に米露首脳会談＠ジュネーブが行われることも踏まえると、中国への強行姿勢は変わらないにしても対ロシアでどこまで言うのか、共同声明に注目したいと思います。とはいえ、共同声明をそもそも出すのかわかりませんけど。。。。

　さてさて、話は変わって今月のIPOラッシュの第二弾として、１０日（木）にテンダ<4198>がJASDAQへ、ワンダープラネット<4199>がマザーズに上場します。初値にどのくらい付くのか、気になりますね。筆者は（もちろん）IPO抽選に外れましたが＞＜

　それでは今週もがんばりましょう！